「クイックステップ」は社交ダンスのスタンダード種目の中でも、文字通り、かなりテンポの早いダンスです。4拍子で、カウントは「SLOW」と「QUICK」でとります。
「クイックステップ」は「スローフォックストロット」と元々が同じ起源のダンスです。そして、この2つのダンスはジャズの音楽と共に発展してきましたので、今でも、それらのダンス曲の中には、ジャズの曲がよく入っています。
誰もが一度は聞いたことのある有名な曲を例に挙げると、「sing sing sing」などはよく「クイックステップ」で踊られます。アップテンポで軽快で、スタイリッシュな踊りは、踊り手はもちろん見ている人も思わず身体を動かさずにはいられないくらい、熱狂させるダンスです。
クイックステップの踊り方
「クイックステップ」はとてもテンポの早い、軽快なダンスです。バリエーションステップになると、走ったり、スキップしたり、ホップしたりとフロアーを駆け回ります。その時、ボディーをステップした足よりも外へ飛ばしていくことによってダイナミックかつ瞬発的に動きます。
また、ゆったりと踊る「スローフォックストロット」と起源を同じくしていますので、技術的に同じ要素も含まれています。なので、ただ早く動き回ればいいという訳ではありません。
そして更に、「ワルツ」的な要素も含まれています。なので「クイックステップ」は「スローフォックストロット」と「ワルツ」の要素を取り入れて踊らなくてはいけません。
「クイックステップ」における「スローフォックストロット」的・「ワルツ」的、ライズ&フォールについて
いったい、テンポの速い「クイックステップ」のどこに、「スローフォックストロット」と「ワルツ」の要素が入ってるの?
では、「クイックステップ」のどのような部分に「スローフォックストロット」と「ワルツ」の要素が入っているのか詳しく説明していきます。
「クイックステップ」」のライズ&フォール
「クイックステップ」において、どこに「スローフォックストロット」、そして「ワルツ」の要素が入っているのかと言うと、それはライズ&フォールです。
ライズ&フォールとはダンス用語で、足、脚部、ボディーを通した身体全体の上下運動のことを意味します。
つまり「クイックステップ」では、2種類のダンスのライズ&フォールを使い分けて踊らなくてはいけないということです。
「スローフォックストロット」的な場合は一気にライズ(クイックライズ)で、「ワルツ」的な場合は徐々にライズ(グラジュアルライズ)です。
詳しくはこちらの記事でも説明してますので、合わせて読んでみてください。
⇒社交ダンス「スローフォックストロット」を踊るコツ
⇒社交ダンス「ワルツ」を踊るコツ
私の実感としては、「スローフォックストロット」的なライズ&フォールのステップの時は身体により勢いがつき、「ワルツ」的な時はゆったりとする感じがします。つまり、ライズ&フォールを正しくする事使い分けるよって踊りに緩急を出す事ができます。
「ナチュラルターン」で比較してみる
それでは、「ナチュラルターン」のライズ&フォールを例にあげて説明をします。
経験者の方でも、よく間違える、もしくは漠然とステップしてしまいがちなのが、「クイックステップ」のナチュラルターンです。
ナチュラルターンはダンスを踊る方なら誰でも知ってる、「ワルツ」の基本ステップで「クイックステップ」にもあります。1~3歩目に関しては、ステップは全く同じですが、ライズ&フォールが異なります。
「クイックステップ」においてナチュラルターンは、「スローフォックストロット」的に踊ります。
一見ステップは同じでも、「ワルツ」がカウント3までライズを継続していくのに対して、「クイックステップ」ではスピードが出て、勢いがついているので、上昇し続けるというより、身体を横に飛ばしていきます。なので、ライズ&フォールに違いが出てきます。
ちなみに「スローフォックストロット」にもナチュラルターンがあります。こちらはもちろん「スローフォックストロット」的ライズ&フォールで、女性がヒールターンになります。詳しい説明は⇒社交ダンス「スローフォックストロット」を踊るコツ
「クイックステップ」のベーシックステップをライズ&フォールの種類で分けて一部紹介。
「スローフォックストロット」的ライズ&フォール
- ナチュラルターン、ナチュラルピボットターン、ナチュラルスピンターン
- シャッセ リバースターン
- クイック オープンリバース
- ランニング フィニッシュ
- ランニング ライト ターン
etc.
「ワルツ」的ライズ&フォール
- クォーターターン ツー ライト
- プログレッシブ シャッセ
- フォワードロック
- バックロック
- ティプル シャッセ ツー ライト
etc.
ベーシックステップをすべて挙げると、多くなってしまうので、一部を紹介しましたが、このように「スローフォックストロット」と「ワルツ」どちらかのライズ&フォールに分けられます。
この、特徴を意識してベーシックステップを練習して踊ることによって、バリエーションステップを踊った時も、生かされてきます。
まとめ
今回は、主にライズ&フォールの面から「クイックステップ」の踊り方を説明しました。ライズ&フォールはステップのフットワーク、動作に大きく関係してくる非常に重要なことです。正しく踊りの中で行うことによって、軽快で動作の大きな、緩急のついた質の高い「クイックステップ」が踊れますので、ぜひ意識して踊ってみてください。
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